Welcome to Michito Tsuruoka's blog. This space is mainly used to announce my new publications. Any comments and suggestions are more than welcome.

【ご報告】2017年3月末をもちまして防衛省防衛研究所を退職し、同4月1日付で慶應義塾大学総合政策学部に准教授として着任いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。

I left the National Institute for Defense Studies (NIDS) at the end of March 2017 and started teaching at Keio University as an Associate Professor at the Faculty of Policy Management, based in Shonan Fujisawa Campus (SFC) in April 2017.

2017/09/15

核兵器「持ち込み」問題の論点――抑止論と制度論

鶴岡路人「核兵器『持ち込み』問題の論点――抑止論と制度論」をハフポスト日本版(2017年9月11日)に掲載しました。

記事URL:
http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/north-korea_a_23203567/?utm_hp_ref=jp-homepage


昨今の北朝鮮情勢を受けて、日本国内でも、非核三原則のうち「持ち込ませず」を削除し、米国の核兵器の持ち込みを認めるべきとする議論も盛り上がっています。しかし、何のための持ち込みなのか(抑止論)、どのような持ち込みなのか、持ち込むためには何が必要になるのか(制度論)などなど、全く詰められていない議論が横行している印象があります。

そこで、「有事の持ち込み」と「平時の持ち込み」を分けたうえで、持ち込む際に必要となる制度・枠組みを整理してみたのが今回の小文です。持ち込みを主張するわけでも、それに反対するわけでもありません。

そのうえで、次のステップは、抑止を継続的に機能させるにあたって、現状ではいかなる問題が存在するかを検討し、そしてその問題が核兵器の持ち込みによって対処可能なのかを見極めることかと思います。独自核開発(核武装)の議論は、さらにその先です。日本の安全保障にとって重大な問題ですから、勇ましいだけの安易な議論には注意し、抑止論と制度論を踏まえた議論を蓄積していかなければなりません。

2017/08/06

Japan's New Nuclear Deterrence Challenges (NBR Special Report)

North Korea and Asia's Evolving Nuclear Landscape: Challenges to Regional Stability, NBR Special Report, No. 67 (Washington, D.C.: National Bureau of Asian Research, August 2017) has just been published and is available at the NBR website. Free download until 1 October 2017.

I contributed a chapter "Japan's New Nuclear Deterrence Challenges: The Implications of Russia's Nuclear Saber-rattling and NATO's Response." Other contributors include Aaron Friedberg, Robert Jervis, James Kim, Jina Kim, Matt Kroenig, Sugio Takahashi and Christopher Twomey. This is part of a large project on Asia's nuclear futures and the National Institute for Defense Studies (NIDS) hosted a small workshop in Tokyo in November 2016.

NBR page: http://www.nbr.org/publications/issue.aspx?id=350


米NBR(全米アジア研究所)から、アジアの核秩序に関する新たな報告書が刊行されました。私は、ロシアによる核の威嚇(nuclear sabre-rattling)とそれへのNATOによる対応が、日本、および日米同盟にいかなる影響を及ぼすかに関する小文を寄せました。

今回の報告書には、他に米国からAaron Friedberg, Robert Jervis, Matt Kroenig, Christopher Twomeyが、韓国からJames Kim, Jina Kimそして日本からは高橋杉雄の各氏が寄稿しています。NBRのウェブサイトで2017年10月1日まで無料でダウンロード可能です。

NBRサイト:http://www.nbr.org/publications/issue.aspx?id=350

2017/07/04

Stanley Sloan, Defense of the West書評(『国際安全保障』)

国際安全保障学会編『国際安全保障』第45巻第1号(2017年6月)に、Stanley Sloan, Defense of the West: NATO, the European Union and the Transatlantic Bargain (Manchester University Press, 2016)の書評を掲載しました。

出版社サイト:http://www.naigai-group.co.jp/_2017/06/451.html



本号の特集は中山俊宏編「オバマ外交の遺産」でして、豪華な顔ぶれです。私の書評したDefense of the Westは、NATOの通史的な教科書です。ページ数も多く、通読にはなかなか向かないかもしれませんが、米国におけるNATO研究の大家の一人による信頼できる本でして、手元にあると必要になったときに便利です。英国のEU離脱やトランプ政権の誕生といった最新のトピックはカバーされていませんが、それらの問題を考える上でも貴重な示唆が沢山あります。

2017/06/27

言論NPO 言論スタジオーー英仏の選挙結果とEU、民主主義の将来

言論NPOで「フランスとイギリスの選挙を踏まえながら、民主主義とEUの未来を考える」と題した言論スタジオが実施され(2017年6月23日収録)、言論NPOやYouTubeで映像として公開されました。

(写真:言論NPO)


言論NPOの工藤泰志代表が司会し、東京外国語大学の渡邊啓貴教授、みずほ総合研究所の吉田健一郎上席主任エコノミスト、そして鶴岡の3名がパネリストを務めました。言論NPOのウェブサイトには、概要レポートも掲載されています。

概要レポート(上):
http://www.genron-npo.net/studio/2017/06/post_59.html
概要レポート(中):
http://www.genron-npo.net/studio/2017/06/post_60.html
概要レポート(下):
http://www.genron-npo.net/studio/2017/06/post_61.html

2017/06/23

BS日テレ「深層NEWS」(2017年6月22日)

BS日テレのニュース番組「深層NEWS」(2017年6月22日)にスタジオ出演し、英議会選挙、英EU離脱交渉の開始、仏議会選挙などを受けた欧州政治についてお話してきました。1週間限定(6月29日まで)で日本テレビ(日テレNews24)のサイトで全て観ることができます。

番組サイト:http://www.bs4.jp/shinsou/

(写真:日本テレビ)

2017/06/21

BS朝日「いま世界は」(2017年5月28日)

BS朝日のニュース番組「いま世界は」(2017年5月28日)にスタジオ出演し、欧州で頻発するテロ事件、欧州におけるテロ対策、それに関連して5月25日のNATO首脳会合などについてお話してきました。



2017/05/29

全てが振り出しに戻ったトランプ大統領の欧州訪問ーー日本にとっても対岸の火事ではない

鶴岡路人「全てが振り出しに戻ったトランプ大統領の欧州訪問ーー日本にとっても対岸の火事ではない」をハフポスト日本版(2017年5月29日)に掲載いたしました。

記事リンク:
http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/trump-europa-polarize_b_16860552.html?utm_hp_ref=japan


トランプ米大統領の初めての欧州訪問。さまざまな評価が可能かと思いますが、少なくとも欧州にとっては、トランプ政権への懸念を強める結果になりました。

NATOの将来とともに、G7首脳会合で露呈した貿易や気候変動を巡る見解の相違。それらを受けてメルケル独首相は、米(トランプ政権)・英(EU離脱)に完全に頼ることはもはやできず、「我々の運命は自ら切り開かなければならない」、「欧州の将来のために闘わなければならない」とまで述べています。もちろん、これがうまくまわり、(英離脱後の)EUが結束を強める結果になるのが、欧州の親EU派にとっては最高のシナリオですが、その見通しが不透明であることもまた、欧州側の苛立ちを強める要因になっているわけです。

2017/05/26

East Asian Strategic Review 2017

East Asian Strategic Review 2017, an annual publication of the National Institute for Defense Studies (NIDS), Japan, is now available in English and can be downloaded for free at the NIDS website. I contributed a chapter on changes in Europe's strategic environment and their impact on East Asia (Chapter 1) - my very last work at NIDS.

EASR 2017:
http://www.nids.mod.go.jp/english/publication/east-asian/e2017.html

EASR 2017 (Japanese):
http://www.nids.mod.go.jp/publication/east-asian/j2017.html


防衛研究所編『東アジア戦略概観2017』の英語版が公開されました。上記防衛研究所のウェブサイトで全文がダウンロード可能です。私は、「欧州戦略環境の変動ーー東アジアへの影響」(第1章)を担当しました。防衛研究所での最後の仕事でした。

2017/05/23

トランプ政権下の米欧関係の課題と懸念

鶴岡路人「トランプ政権下の米欧関係の課題と懸念」(2017年5月22日)を東京財団のサイトに掲載しました。

記事リンク:https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/jjvksm

トランプ大統領は、中東(サウジアラビア、イスラエル)訪問の後、ヴァチカンを経て、5月24日にブリュッセルに入ります。ブリュッセルでは、NATO首脳会合でNATOデビューをする他、EU首脳との会談、フランスのマクロン新大統領との会談も予定されています。

NATOに関するトランプ政権の主たる要求は、欧州諸国の国防予算増額(NATO基準のGDP比2パーセントを達成するようにとの圧力)と、テロ対策におけるNATOの役割強化です。これらがどのように扱われ、いかなるメッセージを発出することができるのか。そして、EU関連では、トランプ政権がEU統合を支持するメッセージを出せるか否かが問われています。ただ、これらの問題は今回の訪問で片付くような性質のものではなく、今後しばらく課題、そして懸念であり続けるのだと思います。


2017/05/22

マクロン仏大統領の誕生ーー3つの論点

鶴岡路人「マクロン仏大統領の誕生ーー3つの論点」(2017年5月17日)を東京財団のサイトに掲載しました。

記事リンク:https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/y79o3p-1

仏大統領選挙についてはすでに論じつくされているかもしれませんが、(1)ポピュリズムの台頭は止まったか、(2)EUにおける仏独協力は復活するか、(3)日仏協力、フランスのアジア関与の行方は、に関して改めて考えてみました。脱稿のタイミングの関係で間に合いませんでしたが、本文で触れたオランド政権のルドリアン国防相は、外相に就任しました。活躍が期待されます。

2017/05/21

日米同盟における「巻き込まれ」と「見捨てられ」を考える(ハフポスト日本版)

鶴岡路人「日米同盟における『巻き込まれ』と『見捨てられ』を考える」をハフポスト日本版(2017年5月8日)に掲載しました。

記事リンク:http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/us-japan-alliance-imminent-north-korean-threat_b_16474264.html


北朝鮮情勢が緊迫化するなかで、日本では米国による軍事オプションに関する議論が盛んです。これはまさに日米同盟における「巻き込まれ」の懸念の表出です。ただつい最近まで、日米同盟の文脈では、「米国は有事の際に本当に日本を支援してくれるのか?」という「見捨てられ」の議論が盛んでした。方向性は大きく異なりますが、この「巻き込まれ」と「見捨てられ」は同じコインの表裏です。この構造を改めて整理してみました。

2017/05/17

欧州戦略環境の変動ーー東アジアへの影響(防衛研究所編『東アジア戦略概観2017』)

防衛研究所編『東アジア戦略概観2017』(2017年)が刊行されました。巻頭のトピック章として、鶴岡路人「欧州戦略環境の変動――東アジアへの影響」を寄稿しました。その他の章は、基本的に例年通りの配置です。(防衛研究所での最後の仕事になりました。)

本書は、バックナンバーを含め防衛研究所のサイトで全文無料でPDFをダウンロード可能です。また、ハードコピーはAmazonなどで購入可能です。英語版は2017年5月中に刊行の予定です。

防衛研究所サイト:
http://www.nids.mod.go.jp/publication/east-asian/j2017.html


2014年からのウクライナ危機、2015年の移民危機、そして相次ぐテロ事件に、英国のEU離脱決定にもみられるポピュリズムの台頭等、ここ数年は日本でも欧州の政治・安全保障問題が多く報じられてきました。悪いニュースがあるときだけ注目されるのも困ったものですが、欧州の問題、そしてそれが日本に及ぼす影響について考えるきっかけとしては悪くないのかもしれません。

2017/05/16

Strategic Considerations in Japan-Russia Relations (NBR Special Report)

Michito Tsuruoka, 'Strategic Considerations in Japan-Russia Relations: The Rise of China and the U.S.-Japan Alliance', in Shoichi Itoh, Ken Jimbo, Michito Tsuruoka and Michael Yahuda, Japan and the Sino-Russian Entente: The Future of Major-Power Relations in Northeast Asia (Washington, D.C.: National Bureau of Asian Research, April 2017) has been published and is available at the NBR website.

Please note that the report can be downloaded for free only until 4 June 2017, after which there will be a charge.

NBR website: http://www.nbr.org/publications/issue.aspx?id=344


中露協力と日本に関する米NBR(全米アジア研究所)の報告書に、「Strategic Considerations in Japan-Russia Relations: The Rise of China and the U.S.-Japa Alliance」と題した小文を寄稿しました。刊行後2カ月間のみNBRのサイトで無料公開でして、それ(2017年6月4日)以降は、有料になってしまうようです。ご関心おありの方はお早めにどうぞ。(こちらでのご紹介が遅くなり、申し訳ありません。)

報告書自体は2017年1月にワシントンで開催された中露関係に関するワークショップで報告されたペーパーのうち、日本関連のものを集めたものです。拙稿は、タイトルのとおり、中国の台頭と日米同盟の観点から、日露関係を検討しています。

北方領土が一部でも日本に返還された場合のそれら島々における米軍の常駐・展開可能性の扱いに関する問題について、ドイツ統一時の旧東ドイツ領域の扱いや、NATO拡大時の新規加盟国の扱いの事例との比較を行ってみました。北方領土の軍事的地位という問題の解決抜きに領土の返還は実現しようにありませんで、その意味では、日露交渉であると同時に日米交渉が鍵であり、さらにその背景には、良好な米露関係も必要になるわけです。

2017/05/15

トランプ政権の誕生と欧州(『世界経済評論』寄稿)

鶴岡路人「トランプ政権の誕生と欧州ーー『トランプ現象』波及への懸念とバードン・シェアリング」『世界経済評論』(2017年3‐4月号)が刊行されました。「トランプ維新への疑問と現実」という特集です。


『世界経済評論』サイト:
http://www.fujisan.co.jp/product/1281687589/b/1464403/

欧州におけるトランプ政権への受け止め方は日本とは大分異なるようです。その最大の背景は、やはり、欧州の多くの諸国でポピュリズム、反エリート主義、反エスタブリッシュメントなどの政治勢力の台頭が深刻な問題となっており、「トランプ現象」が国内政治上の重大な懸念・脅威として認識されていることです。そのため、好き・嫌いは別として外交・安全保障面のプラグマティックな判断としてトランプ政権を受け入れ、具体的な政策マターに傾注する段階には至っていない国が多いのです。トランプ政権への日欧間の受け止め方の差異については、今後とも注目が必要です。

2017/05/14

『聞き書 緒方貞子回顧録』短評

野村健・納家政嗣編『聞き書 緒方貞子回顧録』(岩波書店、2015年)の短評を、東京財団のサイトに掲載しました。2016年末の「2016年に読んだおすすめの一冊」という企画(2016年12月22日)でした。この本、いろいろなところで人にすすめていまして、本当に好きな本です。


東京財団サイト:
https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/d46bjf#tsuruoka

短評全文:
「日本外交の生き字引 緒方貞子氏の問いかけ」

上智大学教授、国連難民高等弁務官、JICA理事長などを歴任した緒方貞子氏は、国際関係、日本外交のまさに生き字引である。学生時代には東京裁判を傍聴している。そして、「この裁判は、戦勝国による敗戦国の審判に過ぎない」としつつ、「満州事変から日中戦争そして太平洋戦争に至る日本の外交政策の失敗は明白」であり、「それにかかわった政策決定者にはやはり責任があります」と明快に述べ、それが満州事変研究の動機だったと語るのである。若くしてこの鋭さとバランス感覚である。そして、「人権屋さんでも難民屋さんでもなかった」緒方氏は、それぞれの分野で世界の第一人者になる。

そうした活躍の根底にあるのはヒューマニズムなのかとの問いには、「そんな大それたものではない、人間としての普通の感覚」だと喝破する。耐えられない状況に放置された人間や凄惨な現場を見てきたという緒方氏は、「見てしまったからには、何かをしないとならないでしょう? したくなるでしょう? 理屈ではないのです」と語る。この国際主義、人道主義、そして同時に究極のリアリズムとプラグマティズムをわれわれはいかに引き継いでいけるのだろうか。重い宿題である。

2017/05/13

日英、日仏の安全保障・防衛協力

鶴岡路人「日英、日仏の安全保障・防衛協力――日本のパートナーとしての英仏比較」『防衛研究所紀要』第19巻第1号(2016年12月)が刊行されました(しばらく前ですが・・・)。防衛研究所のサイトからダウンロード可能です。


PDFへのリンク:
http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j19_1_6.pdf

題目のとおり日英と日仏の安全保障・防衛協力を比較したものです。日英協力については、拙稿(RUSI Journal論文や、防衛研究所・RUSI共同研究など)を含め、さまざまな論考がすでに存在しますが、日仏安全保障・防衛協力については、これまでほとんど論じられてこなかった気がします。

また、日本では、英国がほぼ常に欧州の筆頭パートナーと認識される一方で、安全保障・防衛面でのパートナーとしてのフランスの認知度は低かったかと思います。しかし、アジア太平洋の安全保障へのコミットメントという観点では、フランスの存在を無視するわけにはいきません。そこで、今回の論文では若干意識的に日仏の側面に目を向けるようにしました。英仏を比較するなかで、日本の対欧州戦略に求められるものもみえてくるように思います。

2017/05/10

英国のEU離脱問題への視点(『CISTECジャーナル』寄稿)

鶴岡路人「英国のEU離脱問題への視点――欧州の政治と安全保障に何をもたらすのか」『CISTECジャーナル』(2016年11月号)が刊行されました。タイトルの通りでして、英国のEU離脱問題を、特に欧州の政治・安全保障へのインパクトの観点から分析しました。(これもかなり古い情報の共有ですみません。)

『CISTECジャーナル』サイト:
http://www.cistec.or.jp/journal/page/1611index.html

2017/05/07

'Tokyo Wants a Stronger European Foreign Policy'

Michito Tsuruoka, 'Tokyo Wants a Stronger European Foreign Policy', The International Spectator, Vol. 51, No. 3 (2016) was published in October 2016 (belatedly sharing it here...). It is a short commentary on the European Union Global Strategy (EUGS), released in June 2016.

The special issue begins with an interview with Nathalie Tocci, the main architect of the EUGS and a number of experts from across the EU and beyond have contributed commentaries based on it. For me, it was also an extension of the seminar on the EUGS that was held in Tokyo in March 2017, attended by Nathalie and others from the EU.

IAI website: http://www.iai.it/it/pubblicazioni/vol-51-no-3-september-2016
Taylor & Francis website: http://www.tandfonline.com/toc/rspe20/51/3



しばらく前になってしまいましたが、イタリア国際問題研究所(IAI)が刊行しているThe International Spectator (Vol. 51, No. 3, 2016)に、'Tokyo Wants a Stronger European Foreign Policy'と題した短いコメンタリーを掲載いたしました。2016年6月に発表された「EUグローバル戦略(EUGS)」に関するものです。同号巻頭にはEUGS起草で中心的役割を果たし、IAI副所長でもあるNathalie Tocciさんへのインタビューが掲載されていまして、各コメンタリーはそれを受けてのものです。

関連して上の写真は、EUGS作成プロセスの最中、2016年3月に東京で行われたEUGSに関するセミナーのものです。TocciさんをはじめとするEUからの方々と、きれいなお庭を見ながらよい意見交換ができました(彼らはお庭を背にして座っていたため、会議中に景色を楽しめたのは向かい側に座っていた日本側参加者のみだったのですが・・・)。

EUGS発表から1年近くが経過し、同戦略の履行が進んでいる分野もありますし、EUGS自体への言及は若干減ってきている印象もあります。EU外交の発展においてEUGSがいかなる役割を果たすことになるかについては、今後も注目です。

IAIサイト:http://www.iai.it/it/pubblicazioni/vol-51-no-3-september-2016
出版社サイト:http://www.tandfonline.com/toc/rspe20/51/3

2017/05/04

【ご挨拶】慶應義塾大学への移籍のご報告 Greetings: Moved to Keio University

皆様。

本ブログはしばらく更新をさぼっておりまして申し訳ございません。皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。ご報告がすっかり遅くなってしまい申し訳ございませんが、今年3月末をもちまして、防衛省防衛研究所を退職いたしました。4月1日付で慶應義塾大学総合政策学部(湘南藤沢キャンパス:SFC)に准教授として着任いたしました。

防衛研究所に在職の8年間、皆様には大変お世話になりました。引き続きよろしくお願いいたします。新たな職場では、国際安全保障や欧州関連の講義や研究会を担当しております。引き続き、NATOやEUを中心に、欧州の政治や国際関係、さらには同盟や核政策に関わる問題に取り組んでいきたいと考えております。加えて、これまでとは異なり、教育面でも何か新しいことができればと思っているとことです。

慶應義塾大学SFCの教員紹介ページはこちらです。
鶴岡 路人

Dear all,

Greetings. Hope this finds you very well. I just wanted to let you know that I left the National Institute for Defense Studies (NIDS) at the end of March and started teaching at Keio University as an Associate Professor of the Faculty of Policy Management, based in Shonan Fujisawa Campus (SFC). 

I very much appreciate all your support during my tenure at the NIDS. Hope to stay in touch with you. At Keio, I am mainly teaching international security and European politics. While I will focus more on academic research and teaching, I will remain engaged in the policy community. Look forward to seeing you again soon.

You can find my new bio here (Keio University SFC's website).

Michito Tsuruoka



2016/10/09

NATOにおける核態勢の新展開――ワルシャワ首脳会合コミュニケを読む

鶴岡路人「NATOにおける核態勢の新展開――ワルシャワ首脳会合コミュニケを読む」『NIDSコメンタリー』(防衛研究所)第54号(2016年10月6日)が刊行されました。

2016年7月のNATOワルシャワ首脳会合では、バルト三国およびポーランドへの計約4,000名(4個大隊)の「事実上の」常駐に関する合意が注目されましたが、核抑止に関してNATOとしてどのようなメッセージを発するのかも、関係者の間では重要な論点でした。その背景には、ウクライナ危機以降相次ぐ、ロシアによる核の威嚇(nuclear sabre-rattling)」がありました。それにNATOとしていかに対応できるかが問われていたわけです。

結果として今回は、かなり直截的な表現が使われていまして、ロシアに対する非常に明確なメッセージになっています。「潜在的敵国の計算の複雑化」や、「敵対国に対して耐え難く、またそうした国が期待するであろう利益を大きく上回るコストを負荷」といった文言は、冷戦を彷彿とさせます。ロシアによる核の威嚇をこれ以上放置することはできないという、NATOの強い懸念と決意がうかがわれます。

同時に、NATOが本気になったということは、米国が本気になったということでして、この問題は、日本でもそろそろもう少し真剣に議論しないといけないかもしれません。

NATOワルシャワ首脳会合コミュニケの第53、54パラグラフが、核態勢に関する該当箇所です。両パラグラフは、拙稿文中で全訳していますが、英語の原文はこちらでご覧ください。

PDF:http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary054.pdf